・YouTubeやTikTokなどのSNSに動画を投稿したい。
・動画を作って家族や友人にプレゼントしたい。
・動画制作を副業にしたい。
様々な理由があると思いますが、自分で動画を制作したいと思う人が最近増えています。
動画制作は初心者にも始めやすく、スキルの習得や機材のステップアップも段階を踏んで進めていけるので、おすすめの趣味です。
1本の動画を完成させるためには、「企画、構成、素材集め、編集」という流れを覚えておくとスムーズに動画制作を進めることができます。
この記事では動画制作を趣味にしたいと思っている方向けに、動画制作の流れと必要な機材を説明していきます。
動画制作の基本的な流れ
STEP1 「企画」動画のコンセプトを決める
これから製作する動画の目的やコンセプトを明確にしましょう。映画の製作会社であれば、スタッフやキャスト、クライアントとの意思疎通のために必要ですが、個人では難しく考える必要はありません。
自分の考えやアイデアを初めにまとめ、整理をしておくと後から行う作業の時に迷うことがなくなります。
どんな項目を決めておけば良いのか次にまとめておきますので、参考にしてください。
動画の内容 | 例)〇〇をやってみた、空撮、ショートドラマ、ゲーム動画 |
公開方法 | 例)Youtube、TikTok、家庭用テレビ、映画館 |
ターゲット層 | 例)家族や友人、全世界の人、審査員 |
動画の内容を決める
動画の内容を決めておくことで、必要な機材や資格が明確になります。明確になることで動画を制作する効率が上がります。
例えば、空撮動画を作りたいと思ったとしますよね。
その時に「どうやって空撮するの?ドローンが必要だ。ドローンを使った撮影には資格や許可が必要だ。」と動画を撮る前にドローンを購入したり、場合によっては事前に資格を取得したりすることができます。
これが、動画の内容を決めずに動画の撮影を始めてしまい、後から「空撮を入れたい」と思っても、ドローンも準備していなくて資格も無ければ、途中まで作った動画が完成しない可能性が高くなります。
動画のテーマを決めることで、動画の目的が明確になり、内容が絞り込まれ、制作が効率化されます。動画を撮影する前に、ぜひテーマを決めることをおすすめします。
公開方法を決める
動画の公開方法は製作する動画のアスペクト比や解像度、動画の長さを決めるのに重要な要素になります。
例えば、YouTubeで推奨されているアスペクト比は「16:9」、解像度は「1280×720」です。Youtubeショートでは「9:16」、「720×1280」となります。動画の長さもYoutubeショートで60秒です。
また、自主制作映画のコンテストでは各映画祭で細かくレギュレーションが決まっています。40分の最高傑作を制作しても、映画祭のレギュレーションが「30分以内の短編動画」だった場合は残念ながら参加できません。
公開方法 | 推奨アスペクト比 | 推奨解像度(px) | 動画時間 |
---|---|---|---|
8Kテレビ | 16:9 | 7,680×4,320 | ※1 |
4Kテレビ | 16:9 | 3840×2160 | ※1 |
フルハイビジョンテレビ | 16:9 | 1920×1080 | ※1 |
YouTube | 16:9 | 1280×720 (1920×1080) | 15分※2 |
YouTubeショート | 9:16 | 1080×1920 | 60秒 |
TikTok | 9:16 | 1080×1920 | 15秒※3 |
Instagram(リール) | 9:16 | 1080×1920 | 90秒 |
※1 制作した動画のデータ容量により動画時間が異なります。
※2 アカウントの確認が終わると最大12時間もしくは256GBまでアップロードできます。
※3 最大10分までアップロード可能
ターゲット層を決める
動画を誰に伝えたいのか、ターゲット層を決めましょう。ターゲット層によって、動画の内容や伝え方が変わってきます。狙うターゲット層によって動画のコンテンツを変える必要があるかもしれませんね。
例えば、料理の解説動画の制作をする場合、包丁の握り方もわからない子供をターゲットにするなら、包丁の握り方や安全な包丁の使い方から説明しますよね。逆にプロの料理人をターゲットに包丁の握り方の説明は不要です。
また、制作した動画を視聴する人が家族や友人なのか。YouTubeなどに投稿して視聴者は世界の誰かなのかも重要になります。
家族などの身内だけなら問題になることも少ないかもしれませんが、YouTubeなどのSNSの場合は会社のポリシーを遵守した動画制作を行う必要があります。
(参考)YouTube のポリシー
STEP2 「構成」動画のコンセプトに沿ったシナリオを作成する
コンセプトが完成したら、動画を構成するシナリオを作成します。コンセプトが頭に描いたものを文字にしたものだとすると、シナリオはコンセプトをビジュアル化したものだと考えるとわかりやすいです。
コンセプトで決めたテーマをターゲット層目線で公開する方法に沿った時間で動画を制作するためのシナリオや絵コンテを作成します。
絵コンテを作成することで、撮影場所や撮影時間(朝や夜など)をより具体的にすることができます。また、撮影場所によっては許可が必要な場合もあります。事前に確認することで効率的に作業を進めることができることも大きなメリットになります。
また、YouTube用の動画を制作しようと思った場合は、視聴者の離脱率を下げるために冒頭で視聴者の心を掴むような構成にしたり、長尺な動画はタイムスタンプ(チャプター)の設定もあらかじめ考慮したりすると、効率的に作業を進めることができます。
STEP3 素材集め
動画制作に必要な素材を準備します。動画を作るためには、以下の3種類の素材が必要です。これらの素材を組み合わせることで、よりオリジナリティのある動画を作成することができます。
映像素材
映像素材は、動画の基本となるものです。人物や風景、モノなど、さまざまな映像素材があります。映像素材を入手する方法は、大きく分けて2つあります。
- 自分で撮影する
- フリー素材や有料素材を利用する
自分で撮影する場合は、カメラやビデオカメラなどの機材が必要です。また、撮影技術や編集技術も必要になります。フリー素材や有料素材を利用する場合は、インターネットや素材販売サイトでダウンロードできます。フリー素材は無料で利用できます。有料素材は、購入する必要がありますが、高品質な素材が豊富に揃っています。
音声素材
音声素材は、映像素材に動きや感情を加えるために必要です。ナレーションやBGM、効果音など、さまざまな音声素材があります。
音声素材を入手する方法も、映像素材と同じように、自分で収録するか、フリー素材や有料素材を利用することになります。
テキスト素材
テキスト素材は、動画の説明や解説、タイトルやテロップなどに使用されます。テキスト素材を作成するには、テキストエディタや動画編集ソフトなどが必要です。
STEP4 編集
動画編集とは、撮影した映像や音声を組み合わせて、目的や意図に合わせて編集する作業です。動画編集の具体的な作業内容は、以下のようなものが挙げられます。
- 映像の切り取りや結合
- 音声の編集
- テキストの挿入
- エフェクトやトランジションの追加
- 色調や明るさの調整
動画編集を行うには、動画編集ソフトが必要です。動画編集ソフトには、無料のものから有料のものまで、さまざまな種類があります。
動画制作に必要な道具
動画制作に必要な道具は、大きく分けて撮影用機材と編集用機材の2つに分けられます。一言で機材と言っても、低価格なものから高価なものまで様々です。
結論から言うと、スマートフォンがあれば撮影も編集も可能です。なぜなら最近のスマートフォン、例えば「iPhone15 Pro」の場合、ProRes有で4K撮影が可能です。またApple製品にインストールされているiMovieで撮影した動画を編集してファイルに出力することもできます。
しかし、制作する動画によってはスマートフォンだけでは表現できないこともあります。スキルや表現したい動画に合わせて道具を揃えていくことで無駄なく必要な道具を集めることが可能です。
撮影用機材
撮影用機材は、動画の映像素材を撮影するために必要なものです。
カメラ
これから動画制作を始める場合、動画撮影におすすめなカメラを3種類紹介します。
スマートフォン
スマートフォンは、動画撮影に便利なツールです。以下に、スマートフォンで動画撮影するメリットとデメリットをまとめます。
デジタル一眼レフカメラ
一眼レフデジタルカメラは、写真撮影だけでなく、動画撮影にも適したカメラです。一眼レフデジタルカメラの動画撮影のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
アクションカメラ
アクションカメラは、スポーツやアウトドアなどのアクティブシーンでの動画撮影に適したカメラです。アクションカメラの動画撮影のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
三脚・ジンバル
ジンバルは、カメラのブレを抑えることに特化した機材です。手持ちで撮影する際に、手ブレを抑えて安定した映像を撮影したい場合に適しています。一方、三脚は、カメラを固定することに特化した機材です。長時間の撮影や、低いアングルからの撮影など、さまざまなシーンで安定した映像を撮影したい場合に適しています。
マイク
マイクの役割は、音声を録音することです。音声は、動画の重要な要素のひとつであり、映像の臨場感や伝えたい内容をより伝わりやすくするために欠かせません。
音質が良く、風切り音や周囲の騒音を抑えることができるというメリットがあります。また、指向性や感度を調整することで、特定の音を拾ったり、周囲の音を抑えたりすることもできます。
照明
照明は、映像の明るさや雰囲気を調整するために使用します。室内で動画を撮影する場合は、照明があるとより明るく、美しい映像を撮影することができます。
編集用機材
パソコン
パソコンは、動画編集ソフトを実行するために必要な機材です。素材の取込や動画の書き出し等、ある程度の負荷がパソコンに掛かるため必然的に高いスペックが求められます。
また、スペックの他にも拡張性も重要です。4K動画を制作したい場合は4Kに対応したモニターが必要だったり、ゲーム画面をパソコンに録画したい場合はキャプチャーボードが必要です。
動画編集ソフト
動画編集ソフトには、無料のものから有料のものまで、さまざまな種類があります。初心者には、操作が簡単な無料の動画編集ソフトから始めるとよいでしょう。
ただし、動画制作を趣味兼副業にしたいと考えている人もいるでしょう。副業を考えている人は有料のAdobe Premiere Proがおすすめです。なぜなら、独学で勉強する際にネットやYouTubeで無料の教育コンテンツが多いので早期のスキルアップが望めるし、ココナラなどのスキルマーケットで仕事をする際に「プロジェクトデータを納品してほしい」というクライアントもいるためです。
Adobe Premiere Proは2,728 円/月 (税込)で利用できます。
また、制作する動画に炎や爆発など、映画のような迫力のあるエフェクトを追加したいと考えている人は、将来的に同じAdobeのAfter Effectsの購入を検討するかもしれませんよね。
その時に同じAdobeのPremiere Proを使っていると互換性が優れているし、他にもAdobeのソフトを購入する可能性がある人は「Creative Cloudコンプリートプラン」がさらにお得です。
Creative Cloudコンプリートプランは6,480 円/月 (税込)で利用できます。
動画制作に必要なスキル
動画制作に必要なスキルは、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 企画・演出スキル
- 企画の立て方
- 構成の組み方
- 演出の考え方
- 撮影スキル
- カメラの基本操作
- 構図の組み方
- アングルの取り方
- 光の使い方
- 編集スキル
- 編集ソフトの基本操作
- カット編集
- つなぎ方
- BGMや効果音の挿入
- テロップの挿入
動画制作スキルを身につけるには、以下の方法が有効です。
- 書籍やWebサイトで学ぶ
- 動画制作の教室やスクールに通う
- 自分で動画を撮影・編集してみる
動画制作の教室やスクールに通えば、プロの講師から直接指導を受けることができます。書籍やWebサイトでも、基礎から応用まで、さまざまな情報が提供されています。また、自分で動画を撮影・編集してみるのも、実践的なスキルを身につけるのに効果的です。
自分に合った方法で、動画制作スキルを身につけていきましょう。
企画・演出スキル
企画・演出スキルとは、動画の企画や構成、演出に関するスキルです。動画の目的やターゲットを明確にし、どのような動画にするか、どのような構成で演出するかなどを企画・演出する必要があります。
例えば、YouTubeで閲覧数を増やしたいと思った時は、同じジャンルの人気の動画を参考に自分が作る動画の構成を考えると構成力が高まります。
企画・構成スキルを身につけることで、視聴者にわかりやすく、興味を持ってもらえる動画を制作することができます。
撮影スキル
カメラの操作や撮影技術に関するスキルです。カメラの基本的な操作方法を理解し、構図やアングル、光の使い方など、撮影技術を身につける必要があります。
編集スキル
編集スキルとは、動画編集ソフトの操作や編集技術に関するスキルです。動画のカットやつなぎ方、BGMや効果音の挿入、テロップの挿入など、編集技術を身につける必要があります。
動画制作に必要なスキルは、動画の種類や目的によっても異なります。例えば、教育動画を制作する場合は、映像や音声の質はもちろん、わかりやすい解説や説明が重要となります。
一方、エンターテインメント動画を制作する場合は、映像や音声の面白さやインパクトが重要となります。
まずは、自分がどのような動画を制作したいのかを明確にして、必要なスキルを身につけるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。動画は「企画、構成、素材集め、編集」という流れで製作します。
動画制作は、自分のアイデアや感性を表現する手段として最適です。好きなものをテーマに動画を制作することで、表現力を磨くことができます。また、動画制作を通じて、新しい発想やアイデアを得ることもできます。
動画制作は、創造性や表現力を活かせる、やりがいのある趣味です。ぜひ、動画制作に挑戦してみてください。